みなさん叱ったり叱られたりしていますよね?
よくなかったときに叱ったら成績が伸びた。
よかったときに褒めたら成績が落ちた。
これは本当にそう言えるのでしょうか?
ということで今回は平均への回帰のパラドックスについて話していきたいと思います
まずよくなかったときについて考えていきましょう。
例えばいつもテストで平均以上をとっている子がいたとしましょう。
もしこの子が平均80点のテストで、40点くらいをとったとすれば、
親や先生は叱るわけですね。
気を抜いてるんじゃねえよと、そうした次のテストではしっかりと平均以上の点数を取りました。
これによって叱ると成績が伸びているということが言えそうです。
次によくなったときについて考えていきます。
例えばいつもテストで平均以下をとっている子がいたとしましょう。
もしこの子が平均40点のテストで、80点くらいをとったとすれば、
親や先生は褒めるわけですね。
よく頑張ったなと、そうしたら次のテストは平均以下をとってしまったので、
褒めたら気が緩むからダメであるということが言えそうですね。
さて本当にそうでしょうか?
ここではわかりやすいように毎回平均60点のテストでA君は70点を取り続け、
B君は50点を取り続けたとしましょう。
そこで今回はA君は何かがあってか40点を取りました。
でも次のテストではいつも通り70点を取りました。
さて一回目の結果と二回目のテストの結果の間に関係はありそうでしょうか?
実際はなさそうですよね?
一回目はただただ40点を取り、二回目ではいつも通りに戻っただけですよね
この一回目と二回目の間に褒めようが叱ろうが結局二回目ではいつも通りに戻るんです。
同様にB君が一回目で80点をとって二回目で50点をとったとしても
やはりこの二回のテストの結果に関係はなさそうですよね
一回目で80点とったけど二回目にはいつも通りに戻っただけ。
この間に褒めようが叱ろうが結局は平均に戻っただけなんですね。
この平均に戻っただけなのにその間のことに関係を見出してしまうことを
平均への回帰のパラドックスと言います。
これはスポーツの世界で顕著に見られ、
調子が良くていつもよりも速く走れたけど次の時はいつものタイムに戻った。
これは普通のことなのに、間に褒めたから下がったとか
逆に調子が悪くていつもより遅くなったけど次の時にはいつも通り走れた
これも普通のことなのに、間に叱ったから上がったんだとかって考えてしまうわけですね。
こういうところに気をつけながら取り組んでいきたいですね