【受験】現役塾講師の理系国立教育大生が0から教える高校物理基礎    〜力学編〜 その3 速度の合成

前回まで物体の運動の表し方について解説してきました。

速度には向きがあるという風に説明しましたが、ある向きのみの速さに注目することが多々あります。

なので今回は速度の合成と分解の中でも特に合成について解説していきたいと思います。

速度の合成

まず速度の合成の意味について解説していきます。

例えば車の上に乗っている時にその方向と同じ方向に投げたボールは普通よりも早く見えそうですよね。

反対に進行方向とは逆に投げると普通よりも遅く見えるはずです。

このことを数式に表そうとしたときに使う考え方が速度の合成です。

難しそうな言い方をしていますが結局は足し算をしているだけなのでとっても簡単です。

実は速度というものは矢印を使って表すことができます。

これはベクトルという考え方なのですが、とっても便利なのでこれをよく用います。

直線上の速度の合成

まずは直線上の速度の合成について解説していきます。

互いに並行な速度v1,v2の速度の合成速度vは

v=v1+v2 で表されます。

矢印で考えると

このように表されます。

つまり左側に30km/hで走る車から100km/hでボールを投げる場合は進行方向を正とすると

v1=30[km/h] v2=100[km/h] であるので

v = 30 +100 =130[km/h] となります。

また反対方向に100km/hで投げたとすると、進行方向を正とすると

v1=30[km/h] v2=ー100[km/h] であるので

v = 30 ー100 = ー70[km/h] となります。

このように負の値になることも当然あります。

どっちむきが正の方向なのかを注意して取り組みましょう。

平面上の速度の合成

次に平面上の速度の合成についてです。

平面上とはつまり二つの速度が並行ではないときということです。

この時は二つの速度を矢印で書き表し、この二つの速度を隣り合う2辺とする平行四辺形を書き

その対角線で表されます。

言葉ではわかりにくいと思うので図に書くとこのような形です。

速度の矢印のお尻同士を合わせてあげるだけですね。

特にこのv1とv2が垂直な場合は三平方の定理を用いて

と表されます。

高校の範囲で作図で答える問題以外は基本的に垂直となっているので、

覚えてしまうのもアリかもしれませんね。

今回は速度の合成について解説していきました。

矢印を書くだけの簡単なお仕事なので、気楽に取り組めますね笑

次回は速度の分解について解説していきたいと思います。

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