さて前回はmolの基本的な計算について行いましたが、今回は化学反応式の立て方について解説していこうと思います。
これも中学校までの基本的な数学がわかっていると簡単に理解することができるので、
怖がらずにやっていきましょう。
そもそも化学反応式とは
化学反応式とは物質を構成する原子の組み合わせの変化を表す”化学変化”を化学式で表したものです。
この化学反応式で注意するべき点は2つだけです。
一つは反応した後の物質を覚えておくこと、もう一つは原子の数を揃えることです。
一つ目の反応した後の物質を覚えるということは
ぶっちゃけてしまうと、繰り返し練習しながら覚えていくことが一番です。
受験でよく出る問題はほとんど決まっていますし、慣れてくると予想で式を建てることができます。
コツをあげるとすれば、問題文にほとんど出てくる原子や分子が記入されていることです。
問題を作る側も解かせたくないと思って、こちらに問題を出しているのではなく、
解かせようと思って作っているので、国語同様その前後にヒントが含まれていることがあります。
ですがこれを含めて一番は慣れなので繰り返し練習していきましょう。
定期テスト対策が目的の人は各テキストの基本問題に出てくる式を重点的にやるのがいいと思います。
係数を揃える
さて今回のメインである2つめの原子の数を揃えるですが、これはとっても簡単です。
では問題です。
部屋の中にクッキーが一つだけあり他のものは一切ありません。この時以下の問いに答えよ。
(1)クッキーの数はいくつか (2)せんべいの数はいくつか
簡単ですよね
(1)は1枚で(2)は0枚ですよね。
あるものは消えませんし、ないものが現れることもありません。
これは化学反応に対しても同じで、ある元素はそのままの数ありますし、ない元素は0のままです。
では例としてメタンCH4の燃焼反応で確認してみましょう。
メタンは燃焼すると二酸化炭素と水になります。
式にしてみると
CH4 + O2 → CO2 + H2O となりますが左辺と右辺の各元素の個数を見てみましょう。
左辺にはCが1つとHが4つ,Oが2つあり、
右辺にはCが1つとHが2つ,Oが3つありますね。
ということは右辺がHが2つ少なくOが1つ多いということになります。
Hが2つ多いので右辺のH2Oを2つにしてみましょう。
CH4 + O2 → CO2 + 2H2O となり、
左辺にはCが1つとHが4つ,Oが2つあり、
右辺にはCが1つとHが4つ,Oが4つある状態に変わりました。
これで左辺のOが2つ少ない状態になったのでO2を2つにして
CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O となり完成しました。
連立方程式を使う
ややこしくてわかんねえよって人のためにもっと簡単な方法をお教えします。
それは文字を用いて連立方程式から解く方法です
CH4 + O2 → CO2 + H2Oという式を作るまでは同じですが、係数がわからない状態なので
aCH4 + bO2 → cCO2 + dH2O というふうにおいてみあす。
この係数を用いて左辺と右辺の各原子の数を比較します。
C原子について a = c
H原子について 4a = 2d
O原子について 2b = 2c+d
と式を建てることができるのであとはこの連立方程式を解くだけです。
と言っても今回は未知数4つに対して式が3つしかないので一つは適当に仮置きする必要があります。
今回は適当にa=1とおいてから解いてみると
a=1 b=2 c=1 d=2 と出すことができ
(この時係数に分数が出てしまった場合は最終的には分母を全体にかけて整数にすればOKです。)
CH4 + 2O2 → CO2 + 2H2O と導き出すことができました。
いかがでしたでしょうか?
まあまあ簡単に係数を導き出すことができましたよね?
化学変化については正直慣れの部分に大きく影響されてしまいますが、
勉強していけば勝手に覚えていくと思うので焦らなくて大丈夫です。
(九九の7の段もなんやかんや覚えられましたよね笑)