【理科のお話し】太陽にゴミを捨てることはできる?できない?

人類が作り出したペットボトルなどのプラスチック製品などの分解できないゴミの捨て場がないと言う話題が度々聞かれますよね。

さらにいえば3.11でおきた原発事故による汚染物の除去方法などもいまだ議論が続いています。

そこでどうせ燃やしてしまうのなら、ロケットに載せて太陽に飛ばせばいいじゃないと思う方もいると思います。

そこで今回は物理学の観点から太陽にゴミを捨てることができるのかを考えていきたいと思います。

高校までの簡単な物理の考え方しか出てこないので、安心してください笑

太陽にゴミを捨てることはできるのか

結論を先に言うと無理です、と言うかリスクがデカすぎる上にお金もかかるのでやろうともしません。

その理由についていくつか記していこうと思います。

理由1 地球が速すぎる

地球は太陽の周りを一年かけて回っていますよね。

これを秒速で考えるとなんと秒速30kmで回っているのです。

あまりピンとこないかもしれないので例を挙げると、

大谷翔平選手の170kmのストレートが秒速0.045km、時速300kmの新幹線でさえ秒速0.08kmですからその速さがわかるかと思います。

ここで人工衛星などを地球の周りの軌道に乗せるために必要な速度を第一宇宙速度とよび、

これが秒速7.9kmとなっています。

また地球の重力を振り切って外に出るための速度を第二宇宙速度とよび、

こちらが秒速11.2kmとなっています。

ちなみに太陽系から抜け出すための速度を第三宇宙速度と呼びこれが16.7kmとなっています。

このスピードを出すのには相当な労力が必要になりそうですよね

理由2 太陽に到達しない

さてロケットが頑張って地球の重力を振り切って外に出たとしましょう。

するとそっからは太陽へと一直線だ!!!!とはならず、

重力を振り切るだけでほとんどのエネルギーを使い果たし、フラフラと地球の周りをふらつくだけなのです。

しかも頑張ってスピードを出したとしても、惑星の軌道は太陽をひとつの焦点とする楕円であるというケプラーの第一法則に従い、太陽の周りをただただくるくるしているだけものになります。

この法則を考えた上で太陽に向かおうとすると地球の進行方向とは反対むきに秒速30kmの速さが必要になります。

つまり物理学的に考え計算すると、単純に考えて地球から出るのに秒速10km、太陽に突っ込むのに30kmと合わせて秒速40kmものエネルギーが必要になってしまうのです。

じゃあできるんじゃねえかと思われるかもしれませんが、現在の技術ではせいぜい第二宇宙速度を少し超えた速度しか出すことができないため、太陽にゴミを捨てることは不可能だということが言えると思います。

そのほかにもいろいろな理由はあるのですが、ロケット発射の失敗のリスクやその費用等を考えても、

太陽に捨てようとすることは現実的ではないということがわかったかと思います。

今回は松田卓也さんの間違いだらけの物理学という本を参考にこの記事を書かせていただきました。

ほかにも色々な面白い話がありますので、機会があればまた記事にできたらと思います。

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